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被爆建物・旧日銀広島支店でアートと音楽の複合イベント-映像作家が発案

故・岡本太郎氏の「明日の神話」レプリカも展示される旧日銀広島支店1階フロア

故・岡本太郎氏の「明日の神話」レプリカも展示される旧日銀広島支店1階フロア

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 建築当時の姿を現在もほぼ残している広島市中心部の被爆建物、旧日銀広島支店(広島市中区袋町)で現在、アートと音楽の複合イベント「New Clear Legacy(ニュー・クリア・レガシー)」が行われている。

緑あふれる広島の街

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 50の個人やグループが音楽やアート、映画、演劇パフォーマンスなど、自由な表現で「核を捨て未来へ継承すべき新たな『遺産』」を提案する同イベントは、広島市在住の映像作家・吉松幸四郎さんが発案。被爆建物という象徴的な場所での開催を決め、建物の中でできることを模索。アートや音楽、演劇などジャンルの垣根を越えたメンバーに声をかけ、中学生から大学教授まで幅広いアーティストが集まった。

 会場は、「イベントで使えるところまで(全部)使った」と吉松さん。1階のエントランスやフロア、地下の金庫室、OCR室などに作品を展示。フロア構成は、1階=アート展示・映像上映・インスタレーション、地下=ライブ・演劇パフォーマンス・アート展示。クリエーター集団「ArtLism.JP」が手がけたコンピレーションCDも会場内で流す。

 1階フロアには、故・岡本太郎氏の「明日の神話」誘致活動で、石堂めぐむさんが描いた「明日の神話」のレプリカも展示。平和へのメッセージを記入した、色鮮やかなポリ袋を張り合わせて作ったバルーンドームもフロアの中央に並ぶ。展示作品の中には、来場者も体験できる参加型の作品も目立つ。

 このほか、毎年「平和」をテーマにしたアート作品を制作する広島市立戸坂中学校(東区戸坂新町3)の生徒は地下の展示室に「爆弾ではなく●●が空から降ってきたら」をテーマに、緑あふれる広島の街を作り出す。

 イベント運営費は参加者が負担。「誰でも表現できる場が作れば」と費用は1人2,000円に抑えた。イベントの問い合わせ先は、「開催場所の旧日銀の建物を見に来てほしい」とあえてDMには記載しない。コンセプトの一部として、「現場に来てほしい」とメッセージを込める。

 開催時間は10時~19時。入場無料。今月11日まで。ライブや演劇イベントは、土曜・日曜・祝日に開催する。

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