広島・宮島水族館「みやじマリン」開業-2年8カ月ぶりに営業再開

広島を代表する「カキいかだ」を再現。カキ養殖や周囲に生息する生物を海上と海中から観察できる。

広島を代表する「カキいかだ」を再現。カキ養殖や周囲に生息する生物を海上と海中から観察できる。

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 老朽化や来館者数の減少などを理由に2009年に閉館した広島・宮島水族館「みやじマリン」(廿日市市、TEL 0829-44-2010)が8月1日、改修工事を経てグランドオープンした。

屋根付きの観覧席を設けた「ライブプール」

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 2年8カ月ぶりに開館した同水族館は1967(昭和42)年に開設。施設の建て替えは、老朽化やそれに伴う来館者数の減少などを理由に、廿日市市と合併する2005年から検討を進め、民間から募り立ち上げた特別目的会社が2008年12月に着工した。

 総工事費用は約40億円。建設面積=4092平方メートル、延べ床面積=5802平方メートル。施設は本館棟(東側建物)、海獣棟(中央建物)=鉄筋コンクリート構造2階建て、観覧プール(西側建物)=鉄筋コンクリート構造(一部鉄骨造り)平屋建て。旧水族館に比べて約1.4倍に広くなった。

 展示する生物は旧水族館同様、350種1万3000点。瀬戸内海を中心とした展示構成で、宮島の干潟、瀬戸の里山、カキ水槽、スナメリ水槽、タチウオ水槽、「生き物のからだと暮らしコーナー」、観覧プールなど。

 水族館のテーマは「ふれあい」「癒やし」。動物たちとコミュニケーションできる参加・体験型の水族館へ転換を図るのが狙い。館内の壁面は薄い茶をベースに統一。屋根には瓦を使用し、建物の高さや外観は周囲の景観に合わせた。

 愛称の「みやじマリン」は、世界遺産・宮島と瀬戸内海に隣接する水族館のイメージに合うことと、覚えやすさから、応募作品1360点の中から選考委員会と廿日市市が決めた。

 初日の来館者数は4,231人。オープン前の9時には、450人が列を作った。一番乗りを果たしたのは、前日の17時から並んだ瀬戸内高校2年の男子高校生。「小さい時からよく来ていたなじみ深い水族館なので、今回は絶対に一番に来たかった」と話した。初年度は70万人の来館を目指す。

 水族館のオープンに合わせて、周辺の飲食店も相次いでオープン。向かいの旅館「旅彩のお宿 水羽荘」は7月30日、1階フロアを改装して飲食スペースを設けた。店舗の開業前に、テークアウトでドリンクの販売を始めたのは、物産店からカフェ併設の物産店に営業形態を切り替えた「まるかふぇ」。両店は来館者の利用に期待を寄せる。このほか、JR西日本宮島フェリーは15分から10分間隔の運航に切り替えて対応した。

 開館時間は9時~17時。入館料は、一般=1,400円、小中学生=700円、幼児=400円、4歳未満無料。

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