宮島・弥山の大聖院(廿日市市宮島町)が10月20日、5月の火災で全焼した「霊火堂」の再建費用を募るクラウドファンディングを始めた。
霊火堂は弥山の山頂付近(標高約535メートル)にあり、806(大同元)年に空海が修行でたいたと伝わる「消えずの火」を守ってきた。この火は1964(昭和39)年、平和記念公園の「平和の灯」の火種の一つにもなった。5月20日午前8時30分ごろに出火し、霊火堂とお守り授与所が全焼したが、消えずの火は無事だった。出火原因は調査中。
再建の総工費は約2億8,000万円を見込む。資材費や人件費の高騰で、2005年に火災で焼失した際の再建時の約3倍に膨らんだ。火災保険金は2005年の建設費を基準に算定されるため、最大でも8,000万円程度にとどまるという。建物は文化財の指定を受けておらず、国や自治体の補助金の対象にならない。宮島訪問税も、個別の宗教施設の再建には使えない。同院は、保険金や自己資金を合わせても1億〜1億5,000万円が不足するとしている。
山頂付近には電気、水道、ガスが通っておらず、重機も使えないため、木造で再建する。資材の運搬を人手に頼ることも、費用がかさむ要因になっている。
目標額は、開創1220年にちなみ1億2,200万円。目標に届かなくても、集まった資金を受け取る方式で募る。返礼品は、消えずの火をデザインしたお守り(5,000円)のほか、伊都岐珈琲のドリップバッグ、紅葉堂の揚げもみじのキット、やまだ屋の菓子、山根対厳堂の宮島御砂焼の茶碗など、宮島の事業者が協力した品をそろえた。
弥山が国の特別名勝などに指定されているため、設計案は文化財審議委員会の承認が必要となる。年内に承認が得られれば年明けに着工し、2027年秋の完成、同年11月28日の落慶法要を目指す。
募集は2027年1月7日まで。22日時点で約780万円が集まっている。