JR西日本が10月16日、2020年夏から秋にかけ広島エリアに新導入する観光列車と観光型高速クルーザーの名称を発表した。
観光列車「瀬戸内マリンビュー」に変わる、新たな観光列車の名称は「etSETORA(エトセトラ)」に決まった。運行区間は、JR呉線および山陽本線の宮島口駅~尾道駅間。
車両は現在、瀬戸内マリンビューに使っているキハ47系気動車、2両編成を改装して使う。外観は瀬戸内海の青や海岸線から見える白など、「せとうち」を表したデザインで、車内には、景観が楽しめるように大きな窓を配置する。座席は、カウンターやテーブルをそろえ、車内販売で地元の名産品を取り扱う予定。エトセトラ導入に伴い、瀬戸内マリンビューは今年12月に運行を終える方針という。
JR西日本と瀬戸内海汽船が開発・導入する観光型高速クルーザーの名称は、「SEA SPICA(シースピカ)」に決まった。2018年・2019年実施の「せとうち島たびクルーズ」の立ち寄り港をベースに基本ルートを検討しており、広島港(宇品港)と三原港を結ぶ、とびしま海道・しまなみ海道エリアで運航する。
船体は全長25.7メートル、約80トン。濃い青色と真っ白なボディとの対比を基調に、瀬戸内の夕焼けをイメージする金色をポイントで入れる。座席は特注のソファ型で、約90席を設ける。各席にはテーブルやドリンクホルダーを設置する。フリースペースの屋外デッキを含め、船内はバリアフリーに対応するほか、外国人観光客向けに案内設備もそろえる。船舶は、JR西日本グループ会社の「JR西日本イノベーションズ」と瀬戸内海汽船の子会社「瀬戸内シーライン」が出資する「瀬戸内島たびコーポレーション」が保有する。
いずれも2020年10月に行う大型観光キャンペーン「せとうち広島デスティネーションキャンペーン」に合わせて導入する。鉄道と船舶を組み合わせた新たな観光周遊ルートを瀬戸内エリアに構築し、観光客が繰り返し訪れる一大周遊エリア化を目指す。
利用開始時期は、観光型高速クルーザー「シースピカ」は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年夏、観光列車「エトセトラ」は秋の予定。