JR西日本が5月10日、京阪神と瀬戸内エリアを結ぶ新たな長距離列車の運行計画を発表した。
同社では、鉄道の強みを生かして地域と一体となった観光振興推進の一環として、長距離列車の運行を計画しており、シニア世代をはじめとする幅広い世代や訪日観光客を対象に、「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」とは異なり、気軽に利用でき、西日本各地の魅力に触れることができる列車にするという。
観光列車は山陽新幹線の拠点駅と観光地を結び、周遊ルート構成と地域活性化を目指して運行している。瀬戸内エリアでは現在、2016年春に運行を開始した「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」と2005年秋にデビューした「瀬戸内マリンビュー」がそれぞれ運行している。
列車はいずれも2両編成で、「ラ・マル・ド・ボァ」は旅に必要なモノとコトがそろった旅の道具箱(トランク)をテーマに、車内には現代アート作品や旅にまつわる書庫、サイクリングに使用する自転車をそのまま搭載可能なサイクルスペースを設置している。運行区間はアートな島々への玄関口「宇野」、しまなみ海道へ続く坂の街「尾道」、古き良き文化の町「琴平」。
「瀬戸内マリンビュー」は車内に丸窓や客船のキャビンをイメージしたデザインを施し、車窓から瀬戸内海の多島美を満喫できる。指定席にはゆったりしたボックスシートとソファシートを設け、列車に揺られながらクルージング気分も味わえる。
同計画はJR西日本が今年5月に発表した中期経営計画「せとうちパレットプロジェクト」の一環として取り組む。西日本エリアの中でも多様な観光資源を有する「瀬戸内エリア」で鉄道事業と同社グループが持つさまざまなコンテンツを生かして地域の活性化を目指す。
列車は2020年夏までに運行開始予定。