テラコッタによる彫刻-広島のギャラリーで若手作家が初個展

写真=一角獣がいすに腰掛けている作品「繰り返される終わりを待つ」

写真=一角獣がいすに腰掛けている作品「繰り返される終わりを待つ」

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 広島市内の大学院に通う、山田哲平さんのテラコッタによる彫刻初個展が7月1日から、平和大通り沿いのギャラリー「Art Space HAP」(広島市中区鶴見町2、TEL 082-249-5453)で始まった。同ギャラリーでは月に1度、若手の紹介を兼ねた個展を開いている。

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 山田さんは大学へ入学してから彫刻を始め、3年前にテラコッタの素材のやわらかさに引かれて作品の制作を開始した。テラコッタとは焼き物を素焼きした状態のこと。作品は、原型を水粘土と呼ばれる水を含むと粘性を持つ粘土で作り、石こうで型を取る。その中に陶芸用の粘土を入れて薄く延ばし、型から出して乾燥させ、約800度の熱で素焼きする。作品の目に当たる部分にはガラスを使用し、表面は着色顔料で色を付け表情を出す。

 6点の展示作品のうち4点は今年制作した作品。額の中央に1本の角が生えた馬に似ている伝説の生き物「一角獣」がいすに腰掛けているものや鹿をイメージした170センチほどの作品、一角獣と人が合体した作品などが並ぶ。淡い色の作品が多い同展にテーマはなく、作品を並べる空間を意識したという。

 作品は、暗い場所へ置こうと制作したもので、以前に図書館の書庫や旧日銀広島支店の地下でも展示を行った。会場となる同ギャラリーは光が差し込みやすく明るいため、意図した見せ方と違った形になったが、作品の新しい側面をのぞかせる。

 陶芸との違いについて、「(作品に)内在する形の強さを表現できるよう、意識して作ることでは」と山田さん。2日目を迎えた会場で、「作品1つでどのくらいのことが言えるのか、それぞれに何かを感じ取ってもらえれば」(同)と話す。

 開催時間は11時~19時(最終日は17時まで)。今月6日まで。

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