広島の奥座敷・湯来温泉とJR広島駅を結ぶ冬季無料送迎バスの運行を前に12月18日、JR広島駅南口でPRイベントが開催された。
冬場に積雪のイメージから客足が遠のく、湯来に観光客が足を運ぶきっかけを作ろうと取り組むのは宿泊客を対象にした無料送迎バスの運行。地域が一体となって観光客をもてなそうと4年前から実施する。
初年度は補助金制度を利用したが、2年目以降は地元の旅館や土産店、農作物出荷組合らから成る「湯来温泉・湯の山温泉無料送迎バス運行連絡協議会」が主催する。JR広島駅ではバス運行のチラシや特産品のコンニャクを使ったういろう、湯来町のマップなど500セットを配った。
バスへの乗車条件は、湯来温泉旅館、湯の山温泉への宿泊客であること。完全予約制で、JR広島駅と湯来温泉を1日1往復する。昨年は1201人が利用。3カ月で1000人を超える観光客を集めた。宿泊は1泊1万円前後。女性グループなど、年配客が目立つ。期間中のリピート利用もあるという。
温泉やホタルなど、自然資源のほかにも、コンニャクイモの製造や清流を使ったチョウザメの養殖も行う湯来町。過疎化が進むが、Iターンなどで戻ってくる若い世代が出店するカフェやクラフト店も増えた。「若い人も入ってきている」と広島市国民宿舎湯来ロッジ(広島市佐伯区湯来町)支配人の川﨑孝利さん。「地域を盛り上げていきたい」と話す。
バスの運行期間は来年1月6日~3月22日。土曜・祝前日・1月13日・2月10日・3月19日の宿泊を除く。