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老舗劇場の支配人らがトークイベント-作品と映画館を取り巻く環境語る

写真右から、溝口さん、住岡さん、松冨さん。ローカルな映画館の状況に合わせて、近年の変化や今後の展望を語った。

写真右から、溝口さん、住岡さん、松冨さん。ローカルな映画館の状況に合わせて、近年の変化や今後の展望を語った。

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 広島・横川のミニシアター「横川シネマ」(広島市西区横川町3)で12月16日、映画館と作品を取り巻く環境や近年の変化を話すトークイベント「フィルムがなくなる!デジタルが変える映画のミライ!」が開催された。

 ドキュメンタリー番組「フィルムがなくなる!デジタルが変える映画のミライ!」の参考上映後に開いたトークイベントでは、サロンシネマや八丁座など広島市内中心部で劇場4館を運営する序破急(中区胡町)取締役の住岡正明総支配人と山口情報芸術センター(通称YCAM=ワイカム、山口市中園町)で映画を担当する松冨淑香さん、同館支配人の溝口徹さんが登壇。加速する日本映画のデジタル化と全国で広がる劇場閉館のニュースに触れ、立場の異なる3人が、それぞれの視点から思いを語った。

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 大手とミニシアター系の異なる2タイプの作品を上映する序破急は今月15日、「シネツイン本通り」をデジタル化に移行。リニューアルオープンしたが、2010年にオープンした街中シアター「八丁座」のあおりを受けて今夏、シネツイン本通り、新天地の閉館を検討したという。同社が発行する劇場小冊子で閉館の可能性を示唆したが、天井高のある劇場の閉館を惜しむ映画関係者からの声や利用客、スタッフの要望により継続を決意。「映画ファンとして劇場だけは残したい」と住岡さん。「覚悟を決めてやるなら」とデジタル機材導入に踏み切った。

 「映画は地域に根付く文化」とワイカムの松冨さん。映画を2回見る企画などで、作品を見る以外で同館に足を運ぶきっかけ作りを考える。司会進行役を務めた溝口さんは、商圏に4つのシネコンと老舗のミニシアター系列館、公共施設「広島市映像文化ライブラリー」、成人映画館が混在しながら営業を続ける広島市の土壌を見て、「横川シネマが13年続いたのも、そうした土壌に隠れてコソコソやっていたからに他ならない」とコメント。地域の独自性を確立しなければ、厳しい現状を踏まえて、「地域からあらがおう」(住岡さん)と会を締めくくった。

 同館では8ミリフィルム作品を上映する「三軒茶屋映像カーニバル」を今月22日から開催。「8ミリフィルムについてしってもらう鑑賞イベント」と溝口さん。「上映機会の少ない作品、ぜひご覧いただければ」とも。今月24日まで。

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