紅葉をモチーフにした仮面が特徴的なご当地ヒーロー「安芸戦士メープル・カイザー」が9月、広島に誕生した。
同キャラクターは、「子どもたちの笑顔がみたい」と仮面ライダーなどのヒーロー好きな広島市在住の男性(42)が考案したご当地ヒーロー。紅葉をモチーフにした仮面をつけ、赤、青、黄色の三原色を基調にしたコスチュームをまとう。
ヒーローは男性に昨年、子どもが生まれたことがきっかけに誕生。子どもの虐待やイジメの報道を、自分の子どもに当てはめた男性は「自分ではまだ何もできないが、ヒーローなら…」と今年6月にご当地ヒーローを考案した。衣装は、「中途半端にしたくない」とプロレスラーの衣装制作を手がける会社に依頼。子どもたちが喜ぶよう、色やデザインのインパクトを意識した。
活動は、「演じている人間が見えないよう、正体を隠したまま行いたい」と男性。「子どもたちを笑顔にすること」を目的に、建設業のとび職として働く傍ら、家族や正体を知る一部の友人らの協力を得て、メープル・カイザーとして活動を行う。
小学校3年生以下の子どもを対象に、休日を返上してイベントなどへ出演する広島のご当地ヒーロー。知ってもらうために、「何か行動をしなければ」と9月26日、広島市森林公園(広島市東区福田町字藤ヶ丸)で許可を得て、プロフィール用の写真撮影を行った。「200人くらいの子どもたちに囲まれた」と男性。暑くて脱水症状になりそうだったが、写真撮影や握手に応じ、「子どもたちの笑顔にパワーをもらった」と声を弾ませる。子どもたちが笑っている様子に触れ、森林公園からはイベントへの出演依頼も。「やってみて得たものが大きい」と手応えをつかんだ。
イベントでは、ジェスチャーで子どもたちと交流。MCは、ボランティアスタッフが担当する。出演交渉などの営業活動は、男性が行い、「趣味でやっているから」と、現在はボランティアとして無償で出演している。将来的にはスポンサーを探し、出演料を養護福祉施設などに募金することも検討したいという。
「いつでも会える身近なヒーローでいれたら」と男性。「戦うヒーローではなく、子どもと遊ぶヒーローでありたい」とも。子どもを通して、「温かい」街づくりを目指す。
イベントへの出演やボランティアスタッフの募集は、公式ホームページで紹介している。