広島・うらぶくろ通りの骨董(こっとう)店「こっとう史音」(広島市中区袋町2、TEL 082- 248-0134)が作っているペーパーバックが、話題を集めている。
新聞紙を重ね合わせて作ったペーパーバックは、昨年の夏に同店店主の井川萬稚さんが約4年前にテレビで同バックを見た奥さんの幹子さんに「欲しい」とせがまれて作ったもの。昨年末に同店のオリジナルバックとして購入商品を入れて客に渡したところ、バックを持って歩いていた客を見かけた広島市立大学生からバックについて質問を受け、その後口コミで広がったという。
ペーパーバックの材料は新聞紙のみ。1つのバックを作るのに必要な材料は1日分の新聞紙で、中サイズのバック(横=約30センチ、縦=約20センチ、マチ=約10センチ)本体を作るのに新聞3枚を使用し、バックの持ち手や底板も新聞で仕上げる。バックは水には弱いが、4キロまでの重量に耐えられるという。
新聞紙を折ったり丸めたりしながら、水で薄めた木工用ボンドを絵筆で張り合わせていく作業はまるで工作。手順を記した紙を用意してあるが、これまでに100個は作ったという萬稚さんが試行錯誤の上、気付いたことを説明に加えながらアドバイスしてくれる。取材時は呉市在住の女性が講習を受けており、完成したバックを見ると「うれしい、かわいい」と喜びもひとしおの様子だった。
「ペーパーバックを作るようになって新聞を見る目が変わった」と井川さん夫婦。紙面を読むより先にバックにしたら面白いと思うページをチェックしていると笑う。
同店では、ペーパーバックの作り方講習を行っており、所要時間は約1時間。参加無料。曜日や時間は要相談。水曜定休。