広島の中心市街にある映画館「シネツイン」(広島市中区本通、TEL 082-241-7711)が10月末で閉館する。
1989年8月に開館した同館。1スクリーン90席で、アート系の作品を中心に上映してきた。鑑賞環境にこだわり、両肘掛け付きシート(フランス製キネット社)や国内で初めての床暖房導入などを展開してきた。2~3年おきに設備投資を行い、2012年にはデジタル化に移行。35ミリ映写機によるフィルムとデジタル上映に対応していた。
同館を運営する「序破急」(胡町)によると、閉館の理由は建物老朽化によるもの。蔵本順子社長は「街中の映像拠点として志を高くオープンし、良い時も悪い時もあったが、頑張ろうと続けてきた。意思とは反して立ち退かざるを得ない」と話す。
今月から、「さよなら興行」として月替わりにテーマを決め、フィルム作品を上映する。「街中から映画の火を絶やしたくない」と蔵本社長。11月以降は八丁座(胡町)、サロンシネマ(八丁堀)の2劇場4スクリーンで営業する。