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広島で建築家・坂茂さん講演会-被災地での取り組みなど紹介

写真を投影しながら説明する坂茂さん

写真を投影しながら説明する坂茂さん

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 海外で評価される建築物を手掛ける一方で、国内外の被災地に足を運び、仮設住宅や建築を造り続ける建築家の坂茂(ばんしげる)さんが10月11日、広島YMCA国際文化ホール(広島市中区八丁堀)で講演会を開催した。

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 坂さんは1995年に発生した阪神・淡路大震災後、建築家として災害支援ボランティアに参加。「市民のため、家を失った人のために仕事ができないか」と災害支援活動を始めた。以降、トルコやスリランカ、中国、イタリア、ハイチ、ニュージーランド、昨年には東日本大震災の現地にも足を運び、人や資金を集めてプロジェクトを立ち上げ、仮設住宅や施設などを建設してきた。

 講演会のテーマは、「作品づくりと社会貢献の両立について」。これまで手掛けた建築物と災害支援活動を取り上げ、500平方メートルの敷地に教室を建てた中国での取り組みや、ニュージーランドで、街のシンボルだった「クライストチャーチ大聖堂」が崩壊後、仮設教会の建設を提案した話などを披露した。

 時系列を追って話す中で、東日本大震災で被災し、体育館に避難した人々の写真をスライドで投影。「神戸から避難所の状況は変わっていない」と坂さん。学生ボランティアとプライバシー保護のために簡易的に組み立てられる間仕切りについても説明。

 「災害支援建築や、東日本・海外でのプロジェクトについて具体的な話を聞き、私たちに何ができるのか、何をすべきか考えるきっかけとしたい」と講演に訪れた広島県在住の建築家、高田由美さん。

 今回で8回目を迎える講演会「公開まちづくりセミナー2012」は、広島県建築士会が主催。「その人の生き方を学ぶ」ことを趣旨に、開催している。この日は250人の定員に対して、280人が応募。建築関係者以外や県外からの参加者もあるなど、関心の高さをうかがわせた。

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