飛騨の伝統産業と日本デザインコミッティーの共同プロジェクトによる展示会「春慶展」が、広島のオリエンタルデザインギャラリー(広島市中区田中町、TEL 082-240-9463)で12月3日から始まる。
日本デザインコミッティーの「デザイン力」と飛騨高山の「伝統の技」を、飛騨木工の「家具」と飛騨春慶塗による「椀一式」に生かした同プロジェクト。プロダクトやグラフィックデザイナーなど、一線で活躍する深澤直人さん、原研哉さん、岩崎信治さん、川上元美さん、小泉誠さん、黒川雅之さん、松永真さん、佐藤卓さん、面出薫さんが参加する。
展覧会は「私が使う家具」「椀一式」の2部構成。「私が使う家具」では、6人のデザイナーと木工会社3社が、「自分が使うことを目的」にスツール5脚と卓子1卓を制作。作品は2008年に発表した。「汁碗」「盆」「箸」がセットになった「椀一式」は、日本人の暮らしの中で「春慶塗」を復活させようと8人のデザイナーと3つの工房が制作し、2010年に発表した。参加する作家は、「私が使う家具」「椀一式」で異なり、展覧会のディレクションは原さんが手がける。
展覧会では、「椀一式」(5万円~)やスツール(3万円~)、靴ベラ(1万3,000円)、テーブル(29万4,000円)などを販売。2つのプロジェクトは、地場産業の復興とともに販売することを目的にしたが、それぞれの流通経路でゆっくりと市場に出回るようになったという。
同展の開催を記念して12月4日には、「AGF」「ニッカウヰスキー」などの商品デザインをはじめ、無印良品のボードメンバーとしても活躍する原さんが講演を行う。参加無料。定員は先着80人だが、「すでに50人ほどの応募がある」とセールス&マーケティング部PRの森田麻水美さん。デザイナーやデザインに関心を持つ人からの応募が次いでいる。
開催時間は11時~20時(最終日は17時まで)。来年1月11日まで(会期中は無休)。