「遠い昔からお寺にはエンターテインメントが溢(あふ)れていたんだ」というキャッチコピーにポップなデザインのポスターが目を引く「坊さんフェスタ」が11月23日、広島グリーンアリーナ小ホール(広島市中区基町)で開催された。
仏教の魅力に触れるイベントを開催している広島青年僧侶春秋会が主催する同イベント。会創立50年を記念して吉本新喜劇とコラボした昨年は、お経をアレンジした公演と僧侶によるステージを披露し、約3,800人を集めた。
今回は、「もっと幅広い世代にも来てほしい」と仏教の要素を入れたフェス形式で開催。イベントのメーンは、高さ9メートル、幅5メートルに及ぶ阿弥陀(あみだ)如来像のモザイクアート。山口県長門市の仙崎で金子みすゞさんのモザイクアートを作って、ギネスに挑戦するまちおこしを参考に、「アミダプロジェクト」と名付けて事前に準備した。
アミダプロジェクトでは、今年7月から広島みなと祭り、平和公園、三原など県内で人が集まる場所やイベント会場で「合掌写真」の撮影を開始。声をかけて撮影を依頼したが、「6割くらいは断られた」と同会顧問の長門義城さん。「何時間も声かけをみんなで手分けして」、3万600枚の写真を集めた。
ステージイベントでは、西洋楽器と融合した現代雅楽の演奏や10人ほどで結成する五日市高校書道GIRLSや広島ダンスカンパニーによるパフォーマンス、仏前模擬ウエディングなどを実施。会場内には「坊さんブース」も設け、あみだくじや仏教書籍も販売。会場には、僧侶や同会の会員など60人のスタッフが集まった。
そのほか、子どもが遊ぶ広場や囲碁教室、おでんやうどん、「親鸞聖人も食べていた」という「あずきがゆ」などを販売するフードコーナーも展開したほか、納骨堂、仏壇店、葬儀・法要会社、石材組合などの協賛企業ブースも出店した。
当日は、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の2,595人が来場した。「とにかくたくさんの人に来てもらえたことがうれしい。ありがたかった。」と長門さん。来場者からは「楽しかった」という声も寄せられ、「仏教の魅力を感じてもらえたのでは」と声を弾ませる。