原爆の日に広島で「キャタピラー」先行上映、寺島しのぶさんら来広

RCC放送で8月6日に行われた映画「キャラピター」の記者会見。写真左から大西信満さん、寺島しのぶさん、若松孝二監督。

RCC放送で8月6日に行われた映画「キャラピター」の記者会見。写真左から大西信満さん、寺島しのぶさん、若松孝二監督。

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 2010年ベルリン国際映画祭最優秀女優賞を受賞した寺島しのぶさん主演の映画「キャラピター」が8月6日の原爆の日、広島で全国上映に先駆けて先行上映が始まり、若松孝二監督と寺島しのぶさん、大西信満さんが広島で記者会見を行った。

映画のワンシーン

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 同作品の舞台は、太平洋戦争中に世界各地で戦局が激化する1943(昭和18)年。日の丸を背負い、勇ましい「バンザイ」の掛け声とともに戦地へ送り出された黒川久蔵(大西さん)は、激しい戦闘の末、四肢や聴力、言葉を失って妻シゲ子(寺島さん)の元へ送り返されてきた。

 首には勲章をぶら下げられ、村中から「軍神」とたたえられるが、ただひたすら、妻が流し込んでくれるかゆを食べ、下の世話を妻の手に委ねる毎日を過ごす。かつて「石女(うまずめ)が!」と自分をののしり、蹴り上げ、殴った夫をシゲ子は「銃後の妻の鏡」として献身的世話をした。季節が変わり行く中で、それぞれに敗戦の日が訪れる。

 同日、広島平和記念公園へ献花を行った寺島さん。あの場所へ行くのは修学旅行ぶりという寺島さんは「忘れてはいけないと実感した」と話し、大西さんは晴天に恵まれた当日、65年前の情景に思いをはせた。当日は、補助席を含む約160席が埋まったシネツイン新天地(中区新天地)で舞台あいさつも行った。

 シネツイン本通り(本通)での上映は9月中旬までを予定。

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