広島城天守閣の再建50年を記念して、10月4日に広島市内で150年ぶりに行われる「砂持加勢」(すなもちかせい)祭りの参加者を募集している。
砂持加勢は建築や工事で土砂を運ぶ仕事を応援する者を指す。参加する時に人々は神事や祭礼に参加するように揃いの衣装を着て、鉦太鼓ではやし立てる。
広島の砂持加勢は城下を流れる本川の川浚えのために行われた。本川の河口付近は土砂の堆積作用によって高くなり、舟運の邪魔や大水の時には氾濫を起こす原因にもなっていため、定期的に川床を低くする作業「川掘り」を行う必要があった。
幕末に広島藩の指示のもと、町民は定期的に川砂を運び出した。この作業をお祭り騒ぎの行事にしたのが砂持加勢。城下の各町が仮装をして山車(だし)を作り、町民は仮装してはやし立てた。祭りは1862年5月7日から13日にかけて行われた。
今回の砂持加勢まつりでは、当時の祭の様子が分かる絵「広島本川川ざらへ 町中砂持加勢図」(広島市立中央図書館蔵)に基づいて、幻の祭をよみがえらせる。
参加は個人でもグループでも可能。1グループ20人と想定し、10グループに分かれて、山車や仮装で街中を練り歩く。費用は各グループに10万円を上限として主催者が助成する。
問い合わせは広島城(広島市中区基町21、TEL 082-221-7512)まで。今月26日に広島市まちづくり市民交流プラザ(袋町6)で説明会も行われる。