モルテン(広島市西区横川新町)が4月19日、広島市内に分散している開発機能を集約したテクニカルセンター「molten [the Box](モルテン・ザ・ボックス)」を広島西飛行場跡地(西区観音新町)に建設すると発表した。
建物は地上4階建てで、延べ床面積は1万4933平方メートル。敷地面積は1万8446平方メートル。現在、西区中広町と安佐北区口田南にある開発機能を1カ所に集約するほか、モルテンが取り組むスポーツ用品、自動車部品、医療・福祉機器、親水・産業用品事業の経営資源を最大活用した事業横断のモノづくりを推進する。
施設は4つの事業ブランドが体感できるコーナーを設ける。スポーツ用品の製品開発や試験研究、社内外のイベントを開催する多目的コートや、自動車の部品交換、整備などを通じて機能性の追求のみならず、「走る喜びを感じることができる」自動車の部品を生み出すガレージ。体圧測定や動作解析など、医療・福祉機器のさまざまなシミュレーションを行う研究施設。3Dプリンターや真空成型機を備え、各事業部のエンジニアが集まり試作を作る共同工作室。
このほか、モルテンの歴史と最新技術や開発の礎となっている蔵書も紹介。従業員の帰属意識とモチベーションを高めようと、200人を一度に収容できる食堂の一角には、仕事終わりにコミュニケーションを図れる居酒屋などを用意する。
デザイン監修はサポーズデザインオフィス。設計・施工はフジタの地元企業が手掛ける。建設プロジェクトは、両社と日建設計コンストラクション・マネジメント、モルテンの4社で2019年春に立ち上げた。現在は実施設計の最終段階で、7月に着工予定。
テクニカルセンターは2022年8月竣工、11月1日の業務開始を予定する。