広島県北の「道の駅たかの」(庄原市高野町)が4月12日、直売所スタッフが「厳選」した旬の野菜を詰め合わせた宅配販売を再開した。
宅配販売は、新型コロナウイルスの影響で、外出を控える動きが広まる中、庄原の生産者が安心・安全にこだわって作った野菜を自宅で味わってもらおうと、3月3日から31日までの期間限定で企画した。当初は、100件ほどの注文を見込んでいたが、350件を超える注文を受け、販売を再開した。注文客は、広島県内のシニアが多く、期間中のリピート客や、利用者の口コミで関東など県外への発送も伸びた。
宅配するのは、その日に出荷、集荷した新鮮な野菜約8~9点。直売所スタッフが厳選し、注文から4日以内に冷蔵便で全国発送する。野菜の鮮度にも気を配り、3月までは通常の宅配便で発送したが、気温が上がるため冷蔵便に切り替えた。注文後は、スタッフが購入客に電話で連絡し、在宅時間も確認する。本来は、対面販売を主としているため、注文客との接点づくりにも力を入れる。
詰め合わせる野菜は、店頭から選ぶため、値札は付いたままだが、生産者の情報も記載してあり、注文客からは安心するとの声も寄せられたという。野菜の名前や生産地を記したリストも同封する。
販売価格は3,000円(送料込み、北海道・沖縄への発送は追加800円)。申し込みは店頭や電話、ファクス、メールで受け付け、注文用紙は「道の駅たかの」ホームページからダウンロードできる。再販期間は当面の間とするが、年内の販売を想定する。
広島県知事が4月10日に発表した週末の外出自粛要請を受け、4月11日・12日の来館者数は大きく減少した。「道の駅たかの」の栗栖誠さんは、「これまで以上に来館者数が減少する見込み。営業を縮小せざる得ない環境」と話す。併設するレストランやフードコーナーでは座席の間隔を開けるなど、感染防止対策を取るが、4月14日からは当面の間、全館9時~17時に営業時間を短縮するほか、レストランは休止する。