広島に現存する最大の被爆建物である「旧広島陸軍被服支廠倉庫(ひふくししょうそうこ)」の建物見学会が1月11日から3日間、開催される。
広島市内で建築公開イベントなどを行っている市民団体「アーキウォーク広島」が主催する。1日2回開催で、敷地内は立入禁止のため、外観を見学するという。
旧広島陸軍被服支廠倉庫は、旧陸軍の軍服・軍靴等の貯蔵を目的に1913(明治46)年、レンガと鉄筋コンクリートの併用構造で建てられた4棟の赤レンガ倉庫群。広島に現存する軍需工場の遺構としては最大規模で、被爆時には倒壊を免れたため、押し寄せる負傷者を収容する臨時救護所になった。
1995(平成7)年に民間の倉庫利用が終了し、活用策について検討されてきたが、規模が大きく耐震性能がないことや、耐震改修工事には多くの費用が掛かることなどから、活用策の結論は出ていない。保存にかかる費用は、1棟の外観保存に約5億円、耐震化した場合には約28億円が見込まれるという。倉庫3棟を所有する広島県は昨年12月に2棟を解体する方針を示している。
開催時間は11時~11時50分、13時~13時50分。参加無料。