瀬戸内海汽船(広島市南区宇品海岸)が8月1日、「広島・呉-松山航路」で新造クルーズフェリー「シーパセオ」の運航を開始した。
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新造船はゆったりとした船旅を乗客に楽しんでもらおうと「PARK on the SETONAIKAI」(公園)をコンセプトにデザインした。船内にはエレベーターを備え、バリアフリーにも対応する。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を翌年に控え、広島を訪れる外国人旅行者も増えており、ユニバーサルデザインを取り入れたという。船舶デザインは、GKデザイン(GK Design Group)が担当し、神田造船所が建造した。
客室はごろ寝など、さまざまな利用シーンを想定してアレンジ可能なシートを置く。屋上デッキには、瀬戸内海の潮風を感じながら船旅を楽しめるよう、開放感のある空間づくりを目指した。このほか、平成30年7月豪雨での教訓を生かし、災害時においても海上輸送の役目をしっかりと果せるよう機能の充実を図り、旅客定員は300人だが臨時定員は440人とした。船内設備は売店、インフォメーション、運行情報モニタ、フリーWi-Fi、モバイル用電源など。乗用車の車両積載台数は35台で総トン数は980トン。
「広島・呉-松山航路」クルーズフェリーは現在、石崎汽船(松山市高浜町5)と共に4隻の船舶を共同運航している。シーパセオは、1987(昭和62)年に新造したフェリー「石手川」の老朽化に伴い、造り変えた。瀬戸内海汽船は2020年にクルーズフェリー「四万十川」に変わる新造船1隻の追加導入を予定しており、石崎汽船も今年秋と来夏に独自コンセプトの新造船2隻の導入を計画。同年夏には新造クルーズフェリー4隻での運航体制を整え、航路全体で快適性を追求していく。
運賃は、広島港~呉港=930円(470円)、広島港~松山観光港=3,600円(1,800円)、呉港~松山観光港=2,670円(1,340円、以上カッコ内は子ども料金)。