チベット文化圏を中心に撮影活動を続けている松尾純さんによる写真展「北のタルチョ南のタルチョ」が2月27日より、「ギャラリー718」(広島市中区7、TEL 082-247-1010)で始まった。
1976年広島生まれの松尾さんは美術大学でデザインを学びながら、在学中に1年間のワーキングホリデーを経験したことで海外志向が強くなったという。卒業後は実家の広島に戻り、アルバイトで収入を得ながら年4回のペースで海外へ渡航、訪問国は40カ国を超える。「昔は少ない資金で旅していたが、年々『撮りたい写真』への欲が高ぶり、最近では融通が利くように車をチャーターすることが多い」と松尾さん。
同展のテーマにも使用された「タルチョ」とは、チベット文化圏の寺院や峠で見られる、経文が印刷された5色の祈祷旗のこと。「旅路で吹雪の中、霞んだ向こうに見える移動中の遊牧民に出会うと自然の偉大さに圧倒され、その過酷な状況でも『人が生きていること、自分が生きていること』を実感する」(松尾さん)という。
過去の写真展「Yin&Yang」(2003年、広島銀行舟入支店)、「ラダック・ダンスカール」(2004年、M’sGROWN)、「SpiritOfASIA」(2005年、TENGUSUQUARE)に続き4度目の開催となる同展では、2002年からチベット文化圏内を中心に「文化」「生活風景」「人」「巡礼」にフォーカスした写真46点を展示・販売する。
松尾さんは「一つのものに固執すること、捨てること。それはチベットでも日本でもどこの世界でも存在する葛藤(かっとう)。私がフィルムからデジタルに手を出したように」と話している。
開催時間は11時~20時(最終日は18時まで)。入場無料。3月4日まで。