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広島・並木の中華料理店が閉店-月例チャリティー企画にも終止符

中華料理店「赤竜 並木通り店」店内で、チャリティで使用していた募金箱を手に持つ瀬木さん

中華料理店「赤竜 並木通り店」店内で、チャリティで使用していた募金箱を手に持つ瀬木さん

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 被爆60年を迎えた2005年から毎月、1杯50円のチャリティー価格で坦々麺を提供してきた中華料理店「赤竜 並木通り店」(広島市中区袋町、TEL 082-544-2720)が1月31日に閉店する。

並木通りに面した「赤竜」

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 チャリティーは、同店がオープンした2005年から社会貢献事業の一環として開始した取り組み。同店を運営するアンビシャス(佐伯区八幡が丘)社長の瀬木寛親さんは幼いころ、両親から原爆の話を聞いて育ってきた被爆二世。「反核」「平和」への思いが強く、「8月6日」の風化を懸念して、関連付けたチャリティーを企画した。

 これまで多くのメディアでも紹介され、毎月5日には幅広い年齢層の男女約200人が訪れた。1年間に集まる寄付金は約20万円。毎年、原爆養護ホーム「倉掛のぞみ園」(安佐北区倉掛3)へ車椅子や介助用エアマットなどを寄贈している。

 閉店は、デフレや競争過多によるもので、「昨年から検討してきた」と瀬木さん。1月5日に68回目のチャリティーを終え、「一つの目標だった区切りの100回までやりたかった」と本音を漏らす。欠かさず開催してきたチャリティー企画は、「(8月6日を)思い出してもらえる役割を果たせたのでは」とも。

 これまで、通常営業と同様にスタッフを配置してきた、チャリティー坦々麺の提供スタイルは、昨年7月に変更。スタッフの中には、チャリティーの趣旨を理解していない人もあったため、初心に立ち返り、瀬木さんが1人でカウンターに立って接客を始めた。セルフサービス方式での提供に切り替えたことで、利用者数は100人前後に半減したが、「一人ひとりと対話ができた」と笑顔を見せる。

 当初、3カ月間限定の開催を予定していたチャリティー企画。反響があって継続したが、「経費的に辛い時期もありながら、続けることで同じ被爆二世やチャリティー活動を行う人と出会うことができた」と振り返る。6年間続けたチャリティー企画は、延べ1万5,000人が利用。募金額は約100万円に達した。

 営業時間は11時30分~17時。

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