広島・上八丁掘のアーバンビューグランドタワー(広島市中区上八丁掘)公開空地内で7月29日、映画「ミリキタニの猫」野外上映会が開かれた。
ギャラリーG前の公開空地を会場に参加無料で開いた同イベントは、8月1日から「はつかいち美術ギャラリー」(廿日市市)で始まる第18回平和美術展「ミリキタニの猫」の応援企画。上映作品は、広島に縁のある日系アメリカ人アーティストのジミー・ミリキタニさんを追ったドキュメンタリー。
歴史に翻弄(ほんろう)されながらも、アーティストとして生きたミリキタニさん。晩年はニューヨークでホームレスになり、路上で作品を描いて売る時期もあったが、ネコや第2次大戦中の収容所での体験、ふるさと広島に投下された原爆、9・11テロなどを描き続けた。
上映前にはネコをモチーフにした絵画やポストカードなどの作品とサンドイッチなど軽食とドリンクを集めたマルシェを開き、フェースペインティングを施すアーティストも来場した。同作のプロデューサー、マサ・ヨシカワさんは上映前のトークライブで「企画されてできた映画ではない。脚本に書けないようなエピソードもある」とコメント。「一人でも多くの方に見ていただければ」と呼び掛けた。
映画は建物の照明を落とし、スクリーンカーテンを下ろしたギャラリーGの壁面に投影。会場周辺を走る路面電車の音が響く上映会には、映像につられて足を止める人の姿も目立った。同作の上映会は8月5日=広島市立大学、8日=藤の木公民館、10日=八幡公民館でも予定する。