未曾有(みぞう)の被害をもたらした東日本大震災から3月11日で2年がたつ。広島市では最大震度5強を予測する東南海・南海地震をはじめ、県内の断層を震源地とする地震や建物被害の可能性を身近に感じられる「地震防災マップ」をホームページで公開している。
市は発生する恐れのある「東南海・南海地震」ほか、己斐や五日市などの断層から起こる4つの地震について、発生時の震度や地盤の揺れ、建物の被害想定などを調べた「地震被害想定調査」を2007年度に実施。
地震被害に関する情報や危険度を地域別に整理した調査結果は「防災カルテ」として公開。エリアは市内を8区に分け、学区単位でまとめた。地盤の揺れやすさ、液状化、ライフラインの被害状況などを記載。地域の危険度を総合的に評価した指標を示し、地域防災力の不足を補う資料としての活用を目指す。
地震に対する備えとして市では、1981(昭和56)年以前に建てられた建築物は耐震性が低いため耐震診断を行う重要性を指摘する。一定規模以上の建築物を対象にした耐震診断に要する費用の一部補助制度を設けるほか、耐震改修による税金の軽減措置も取り組んでいる。
資料はホームページで公開するほか、市役所指導部建築指導課で閲覧できる。震災以降、ホームページのアクセス数が上がり、市への問い合わせも増えたという。あらためて災害への備えを確認したい。