プレスリリース

日本被団協などが講演 被爆・戦後80年130人が受け止めた「考え続ける大切さ」〔東京〕

リリース発行企業:パルシステム生活協同組合連合会

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生活協同組合パルシステム東京(本部:東京都新宿区大久保、理事長:西村陽子)は7月、広島と中継をつなぎ、戦後80年を考えるイベントを開催しました。2024年にノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)代表委員の箕牧(みまき)智之さんらが、戦時中から戦後にかけた日本社会の変遷や核兵器の廃絶を訴えてきた活動の軌跡を伝えました。

「あきらめない」を受け継ぐ
イベントには、オンライン参加を含む130人が参加しました。箕牧さんは1942年に東京で生まれ、東京大空襲の後に疎開した広島で被爆しました。家の前で遊んでいると、空が光ったのを覚えています。ボロボロになった人たちが家の前を通りはじめ、怖くなって隠れていたそうです。

いつまでも帰宅しない父を心配した母は、箕牧さんと弟を連れて市内を探し回り、放射線を浴びてしまいました。小学5年生の頃、高熱が下がらず長期間学校を休んだ時期があり、原爆症による影響ではなかったかと箕牧さんは推察します。

核兵器廃絶を目指す活動は2005年、日本被団協元代表委員の坪井直(すなお)さんに出会ったことをきっかけに始めました。箕牧さんは、自らも被爆した立場から「核兵器が使われることがあってはならない」と訴えてきた思いを受け継いでいると話します。

証言活動では、アメリカの小学校などでも原爆投下がもたらした災禍を伝えてきました。ニューヨークでは、話しを聞いていた女の子が泣き出し「戦争のむごさが伝わった」と感じたそうです。一方、大人たちの多くは原爆を投下したことに肯定的だったそうです。

そこで箕牧さんは、日本軍の真珠湾奇襲を謝罪するようにしたところ、話を聞いてもらえるようになりました。原爆の被害を訴えるだけではなく、お互いの立場を理解し合い、平和を構築していくことの大切さを伝えてくれました。

箕牧さんは「日本被団協のノーベル平和賞は、坪井さんはじめ先人たちの『決してあきらめない』と証言し続けた努力によるものです」と力を込めます。現在被爆者の平均年齢は86歳を超え、被爆者手帳所有者は2024年に10万人を下回りました。「被爆者が1人もいなくなった時に、日本が再び戦争に巻き込まれないよう、若い人たちが戦争反対と平和を掲げてほしい」と話を締めくくりました。

▲広島からオンラインで話をしてくれた箕牧さん

被爆体験を語るのは命を絞るようなもの
続いて証言した多賀俊介さんは、広島で被爆2世として平和教育を実践してきました。高校の社会科教師として平和教育を担当し、生徒たちと県内の戦跡を巡り戦時下の災禍を体感するフィールドワークなどを紹介してくれました。

平和学習のカリキュラム作成の過程では、原爆投下に遭遇した教師に体験を伝えて欲しいと頼んだところ「話して分かることではない」と厳しく断られ、驚いたそうです。被爆体験を語ることの重さを受け止めていなかった自分を反省したと言います。

「聞いてくれる人が辛い思いを受け止めてくれるから、証言者は話せます」と多賀さんは語ります。「被爆者が辛い体験を話すのは命を絞りだすようなものです。聞く側も恐怖を感じますが、世代を超え知る機会を作る必要があります」と、現在もヒロシマピースボランティアとして活動し続けています。

戦時中は言論が統制され、本当のことを教えてもらえず、思っていることを自由に話せない社会でした。戦後も、被爆による差別を受けてきた人たちが話せるようになるまでは、長い道のりがあったことを伝えてくれました。

証言を聞いた被爆者の一人中西巌さんは、若者に「平和の敵は平和」と伝えていたと言います。「『平和は大切』と言うのは簡単ですが、行動しなければすぐに失われてしまいます。被爆や戦時中の体験を直接聞ける機会がますます減っていくなか、次世代が体験を語り継ぎ、平和のためにできることを考え続けてださい」と呼びかけました。

▲広島原爆投下で亡くなった子どもたちの思いが書かれた「いしぶみ」を紹介する多賀さん

パルシステム東京はこれからも、多様な世代とのつながりを大切にし、平和のために一人ひとりができることをともに考え続けます。
生活協同組合パルシステム東京
所在地:東京都新宿区大久保2-2-6、理事長:西村陽子
出資金:225.7億円、組合員数:53.9万人、総事業高:883.2億円(2025年3月末現在)
HP:https://www.palsystem-tokyo.coop/

パルシステム生活協同組合連合会
所在地:東京都新宿区大久保2-2-6 、理事長:渋澤温之
13会員・統一事業システム利用会員総事業高2,604.2億円/組合員総数176.2万人(2025年3月末現在)
会員生協:パルシステム東京、パルシステム神奈川、パルシステム千葉、パルシステム埼玉、パルシステム茨城 栃木、パルシステム山梨 長野、パルシステム群馬、パルシステム福島、パルシステム静岡、パルシステム新潟ときめき、パルシステム共済連、埼玉県勤労者生協、あいコープみやぎ
HP:https://www.pal-system.co.jp/


2025年は国際協同組合年です

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