写真を通して自分自身の表現する喜び、発見の楽しさ、記録することの面白さなどを味わって――日本写真家協会は6月12日から、全国から募集した写真を展示する「JPS展」を広島アステールプラザ(広島市中区加古町)で開催する。
有望な新人の発掘に努めようと、作品の展示と表彰(文部科学大臣賞)などを行う同展。全国を巡回しており、34回目を数える今回は全国からの応募が相次ぎ、応募者=2,272人、応募総数=7,350枚を記録した。広島での開催は2回目で、「広島地方は著名な写真家が多く輩出された地であり、古くからアマチュアも写真に熱心なところなので、昨年度から開催地の一つに選ばれた」(同協会)という。
作品は一般部門のほか、第一線で活躍する同協会の会員が参加する協会会員部門、全国の写真大学や写真専門学校の学生による「ヤングアイ」部門。それぞれで作品を募集し、入賞作品を選定する。同展委員長の熊切圭介さんは「応募作品は、被写体、テーマとも多種多様で、表現もバラエティーに富んでいる」と話す。
会員部門では、「日本の住」をテーマに、家族や家庭を視野に入れながら社会生活を支える「住」を直視した作品を展示。全国から20校が参加し、学校単位で1枚のパネル内に複数の学生が撮影した写真を構成する「ヤングアイ」部門は、「若々しい感性を十分に生かした新鮮なイメージの作品群は刺激的で、興味深い展示になった」(同)。
昨年開催した同展への来場者は約1,300人。今回は、広島県から22歳以下の入賞者が4人出たこともあり、若い世代からも「関心は高い」と同展副委員長の森本勝義さん。デジタルカメラやインクジェットプリンターでの印刷など従来に比べ安価で写真を楽しめることも手伝ったのではと推察する。
会期中、広島や近隣での入賞者を対象にした表彰式や、ドキュメンタリー写真家・大石芳野さんによる講演会も開催。
開催時間は10時~18時(表彰式・講演会は14日13時~16時)。入場料は、一般=700円、学生=400円、高校生以下無料。今月18日まで。