青森を拠点に活動する劇団「渡辺源四郎商店」は1月17日、2月に広島で行う舞台公演を前にイベント「ネットでつなぐ青森-広島1560キロの旅」を広島市南区民文化センター(広島市南区比治山本町)で開催する。同イベントは、過去の舞台作品のDVD上映のほか、青森の劇団主宰者と広島をスカイプでつないでトークを行う。
劇団主宰の畑澤聖悟さんを「店主」とする渡辺源四郎商店は2005年に結成。以降、青森を拠点に東京と他のエリアで年間2~3作品を上演している。地元で演劇をやっていくことにこだわる畑澤さんは、劇団の作・演出や高校での演技指導も行う。「地元にいかに貢献するかが大事」(畑澤さん)と話し、青森でレストランの建物を改装して作った劇場での公演のほかにワークショップやイベントも開催している。東京公演を始めた理由は、「劇団スタッフの何人かが東京在住で最初から拠点があった」(同)ことや、演劇を評価する人や年に何百本と観劇する人が多い場所で、「東京にはない青森視点で作っている作品」(同)の評価を受けるためだという。
上映作品は昨年5月に青森と東京で上演した「ショウジさんの息子」。2人暮らしをする80歳のショウジと50歳の娘婿が2人で迎えたショウジの誕生日を描く。上映後、スカイプで青森の畑澤さんと広島の会場をつないで「アフタートーク」を展開。質問や作品の感想などにも対応する。本公演前の過去作品の上映や青森と会場をつないでの「アフタートーク」は初めての試みで、畑澤さんは「間接的な形でのやりとりだが楽しみ」と期待を寄せる。
南区民文化センターでは、観劇人口を増やすことを目的にした演劇マネジメント活性化事業「劇×魂」(ゲキコン)で、地元劇団が2カ月ごとに定期公演を実施。毎年2月に他のエリアの劇団の公演や広島の劇団とのコラボ公演を行っており、渡辺源四郎商店は2月19日・20日に「どんとゆけ」を上演する。関連企画として、畑澤さんが地域発信の演劇について語る演劇サロン(同17日)や、高校生を対象にしたワークショップ(同21日・22日)を開催する。
開催は18時30分から。入場無料。問い合わせは広島市南区民文化センター(TEL 082-251-4120)まで。