広島「汽水域」の旧中工場で複合アート展-地域的な視点で企画

居酒屋カフェ「中人」店内に設置された色鮮やかな46枚の看板。

居酒屋カフェ「中人」店内に設置された色鮮やかな46枚の看板。

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 広島を地域的な視点から考える展覧会「旧中2」が11月1日から、広島市中区吉島地区で始まった。主催は、広島市立大学の教員や学生が中心となって組織する広島アートプロジェクト。

発泡スチロールで作られた「発砲イカダ」

 同展は、昨年4月に開催した「旧中工場アートプロジェクト」の継続企画。現在使われていない旧中工場をアートセンターにすることを目的にしたもので、開催は2回目。テーマに長年の干拓事業で造られてきた水の都広島を象徴する「汽水域」を掲げ、埋立地や戦前から残る干拓の名残が見られる吉島地区に焦点を当て、アートを通して地域を活性化しようと試みる。

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 海岸に面した「ボートパーク広島」には、拾ってきた発泡スチロールで作った「発砲イカダ」や空き缶で作った噴水など作品を浮かべる。普段は入ることができない施設内に入れることから好評だという。同施設向かいのビルには居酒屋カフェ「中人(なかんちゅ)」を設営し、店内では、看板を作成するアーティスト中崎透さんが1枚100円で手がけた飲食店や個人の看板46枚を壁面に展示する。アーティストが対談やイベントを行うステージ脇の白い壁面には庄原や吉島小学校の児童が描いたイラストや風景映像、同展のために制作された楽曲「ヒロシマのスピリット」を交互に映し出す。

 インターネットで募った参加アーティストは50組。その8割はプロで今回は海外からの参加者もいるという。作品は現地で作り、その地域でしか作れないものを展示している。中盤を迎えた同展で、吉島地区の企画を担当する広島市立大学非常勤助教授の今井みはるさんは「人の動線をどうするかが課題」と話す。地元からはプロジェクトを続けてほしいとの声もあり、来年も継続して開催する予定。

 カフェ営業時間は11時~20時。開催は今月16日まで。問い合わせは広島アートプロジェクト(TEL 082-830-1635)まで。