日本初となるマルミミゾウの出産・子育てを支えようと広島市安佐動物公園(広島市安佐北区安佐町大字動物園)が11月26日から、クラウドファンディングを開始した。
同園では、1971(昭和46)年9月の開園より、オス1頭、メス2頭のゾウを飼育してきたが、メス1頭が肺炎で亡くなったため、メスのゾウを長く探していたという。そんな中、2001(平成13)年にアフリカの施設から推定2歳のゾウが3頭、日本にやって来た。うち、1頭が今回妊娠した「メイ」。残り2頭は秋吉台サファリランドへ行ったが、このうち1頭がメイと夫婦になったオスゾウの「ダイ」だった。アフリカから野生のゾウが日本にやってきたのはこの3頭が最後という。
メイは現在、推定25歳。「初めて妊娠するのは15歳までが望ましい」とされているゾウにとっては遅い年齢になる。同園では、今回妊娠できたことはとても幸運なこととしながらも、出産については初産や高齢出産による難産のリスクがある。無事に生まれたとしても、産後は母親の経験不足によってストレスを感じてしまうと育子放棄をしてしまうこともあるという。
クラウドファンディングで集まった支援金は、ゾウの出産や子育てについての環境を備えるために使う。同園ではプロジェクトが実現することで、「応援いただく皆さまにマルミミゾウについてより深く知っていただき、絶滅の危機にひんしているゾウへの理解を共に一歩前に進めていけたら」と呼びかける。
目標金額は1,400万円。第一目標を900万円に設定し、支援金額に応じて20種類の返礼品を用意する。
支援の募集は1月24日まで。