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広島の「ビールスタンド重富」が出張イベント 「ビールで平和を考えて」

被爆した「キリンビヤホール」があった広島パルコ本館前で出張販売する「ビールスタンド重富」

被爆した「キリンビヤホール」があった広島パルコ本館前で出張販売する「ビールスタンド重富」

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 ビールのつぎ方で味わいに変化を付けて提供する「ビールスタンド重富」(広島市中区銀山町)が現在、広島パルコ本館前(本通)で8月6日に合わせた出張イベントを開いている。

被爆した「キリンビヤホール」外壁の一部

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 現在、広島パルコ本館が立っている場所には、1938(昭和13)年から1990(平成2)年まで「キリンビヤホール」があった。戦時中も営業を続け、市民の憩いの場だったという。1945(昭和20)年8月6日の原爆投下で建物は外郭のみを残して内部はほぼ全焼。爆心地からの距離は約670メートルだった。しかし、同年12月には営業を再開している。被爆した外壁タイルの一部は、現在も広島パルコ本館外壁に移設され、保存・展示されている。

 ビールスタンドを主催する酒販店「重富酒店」社長の重富寛さんは、「キリンビヤホール」で提供された一杯のビールが市民の癒やしと復興への希望になっただろうと考え、2017(平成29)年から毎年8月6日に出張イベントを開くことでストーリーを伝えてきた。2019年までは東京・銀座の広島県アンテナショップ「TAU」(タウ)で続けたが、新型コロナの影響で2020年・2021年は休止。2022年から広島パルコ前に場所を移し、活動を再開している。

 毎年持参する手製の年表を今年も持参。被爆後の広島復興をさせた「一杯の生ビール」を伝える。販売する銘柄は、「キリンビール 一番搾り」。メニューは、ビールが喉を駆け抜ける爽快感から、最初の一杯にお薦めという「一度つぎ」、「一度つぎ」の爽快感にうまさが加わり、爽快感、苦み、甘みのバランスが特徴という「二度つぎ」、ビールの炭酸を弱めることで麦芽の甘みが増し、やわらかい味わいという「三度つぎ」、ビールの炭酸と苦みを極限まで弱めることで、ビール本来の甘みを味わえるという「マイルドつぎ」のほか、現代と初代のサーバー2種類で注ぎ滑らかな喉越しという「シャープつぎ」(以上700円)。泡だけのビール「ミルコ」(500円)も用意する。提供にかかる時間は注ぎ方によって異なり、長くて3分。注文数の上限は設けない。重富さんは、「一杯のビールからちょっと平和を考えてみるのはいかが」と話す。20時まで。

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