広島の食材を使ったコース料理を味わいながら、宮島や瀬戸内の島々を巡ってきたクルーズ船「銀河」が12月で運航を終了する。
船舶を所有する瀬戸内海汽船と船舶運航会社の瀬戸内海クルーズ(以上、広島市南区宇品海岸1)が連名で6月10日に発表した。
「銀河」は1984(昭和59)年4月に就航。広島港を出発し、宮島や宮島沖までのランチクルーズとディナークルーズを運航してきた。季節に応じて瀬戸内海を周遊する日帰りクルーズも企画。40年間で延べ100万人が乗船した。乗船客は広島や国内に限らず、世界中から訪れてくれたという。
運航終了は、就航から40年が経過して部品調達が困難になったことや維持費用・燃料の高騰が響いた。新型コロナウイルスの影響で観光客も減少し、今後の運営が厳しくなったという。12月まではランチクルーズとディナークルーズに加え、さまざまな企画商品を提供していく。
来年1月以降、広島・宮島間の運航はグループ会社の瀬戸内シーラインによる高速船に委ねる。瀬戸内海のクルーズは、同社が観光高速船「シースピカ」を引き続き運航するほか、広島~松山航路のクルーズフェリー「シーパセオ」による船旅の提案を中心に事業を進める。