積水ハウスとマリオット・インターナショナルが12月21日、「道の駅 世羅」に隣接するホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット・広島世羅」(世羅町、TEL 0847-22-2175)を開業した。
ホテル「フェアフィールド・バイ・ マリオット」は両社が、地域や自治体、パートナー企業とともに、観光を起点に地域経済の活性化を目指す地方創生事業「Trip Base(トリップベース)道の駅プロジェクト」の一環。2020年10 月の開業を皮切りに現在、全国で21館を展開しており、広島県で開業するのは今回が初めて。中国地方では11月4日に開業した岡山蒜山高原に次いで2館目となる。
施設は地上3階建で、延床面積は2900平方メートル。客室は全78室(キング=27室、ツイン=51室)。1室あたりの広さは平均25平方メートル。宿泊料金は2人1室=1万4520円から。宿泊に特化したホテルのため、館内にレストランはない。食事や土産の購入などは、隣接する「道の駅」や地元の店を利用してもらう。道の駅を拠点に「地域の知られざる魅力を渡り歩く旅の提案」を通して、地方創生の一助となることを目指す。
開業場所に選んだ世羅町は、尾道市を起点に三次市を経由して、島根県松江市までをつなぐ「中国やまなみ街道(尾道松江線、延長約137キロメートル)」のゲートウェーともいえる場所。周辺にはワイナリーや果樹園があり、世羅を起点に県央、県北の魅力を世界1億7000万人のマリオット・ボンヴォイ会員にアピールし、送客を狙う。
広島県のインバウンド旅行客は宮島や原爆ドームがある広島市内や、「サイクリストの聖地」として知られる「しまなみ海道」(尾道市)に集中している。日銀広島支店の2019年調査によると、全国と比較してインバウンド(訪日客)1人当たりの宿泊日数は見劣りし、かつ低下傾向が続いており、「通過型観光が多く、周遊型観光が根付いていない」という。
フェアフィールド・バイ・マリオットは今後、兵庫県、岡山県、福岡県、佐賀県、熊本県、鹿児島県の6県7カ所にも展開する予定で、2025年には26 道府県にて約3000室規模への拡大を目指す。