社会風刺を題材にした彫刻展-広島の飲食店2店舗で開催

写真=真剣白羽取りに失敗して刀を食らってしまう、素人剣士にありがちな一瞬を切り取った作品

写真=真剣白羽取りに失敗して刀を食らってしまう、素人剣士にありがちな一瞬を切り取った作品

  • 0

  •  

 広島在住の彫刻家・和田拓治郎さんの巡回展が7月、広島市内の飲食店2店舗で開催される。

[広告]

 会場と日程は、看板のない飲食店「PASTA ENZO」(7月1日~8日、広島市中区銀山町、TEL 090-3173-2962)と、レストランバー「KoBa」(7月10日~17日、中区中町1、TEL 082-249-6556)。

 和田さんは、社会風刺を題材にした彫刻を制作している彫刻家。10年ほど前から、六道のうち餓鬼の世界を描いた「餓鬼草紙」の餓鬼をモチーフに風刺の大型作品を連作。形やテーマは変化を遂げているが、キャラクターはその名残で餓鬼像が中心。近年では、作品サイズが高さ10センチ程度の小品に力を入れ、こっけいさでグロテスク感を中和した分かりやすい作風が特徴になっている。

 「半分まじめで、半分笑える」完全な皮肉が両展のテーマ。「名乗り出た達人の世界」(=写真)は、真剣白羽取りを「できるできる」と言いながら名乗り出てきた達人が、失敗して刀を食らってしまう、素人剣士にありがちな一瞬を切り取ったものだという。

 飲食店のスタッフに提案されて企画した今回の個展では、女性用指輪などのシルバーアクセサリーも展示する。作品数は16点で、話のきっかけになればとテーブルやカウンターにもディスプレーする。「個展でありながらも人と人つなぐ潤滑油になれば」と和田さん。「新しいことを開拓していきたい」とギャラリーではなく、飲食店での個展開催に踏み切った。

 構えて作品を見に行く姿勢を崩した背景について、和田さんは「食べる時間も人と会う時間にしてほしい」と話す。

 営業時間はPASTA ENZO=18時~24時。水曜定休。要予約。KoBa=18時~26時。水曜定休。

和田拓治郎ENZO「傷」がモチーフの写真展-石内都さん、広島にカメラを向ける(広島経済新聞)描く行為に違いはないと「おねしょ展」-広島の若手9人による企画展(広島経済新聞)カンバラクニエさん、広島で初作品展-水と緑をイメージ(広島経済新聞)

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース