ウサギ700羽以上が生息する瀬戸内海の大久野島(広島県竹原市忠海町)の「ひょっこり展望台」が4月1日から利用を再開する。展望台まで続く山頂道路は、西日本を中心に全国的に広い範囲で記録的な大雨を降らせた「平成30年7月豪雨」により、3年9カ月の間、不通となっていた。
ひょっこり展望台は大久野島のほぼ中心にあるウッドデッキの展望台。島の最高峰標高100メートルに位置し、瀬戸内海を360度見渡せる景観を楽しめる。展望台には、島の名前が分かる「のぞき穴」、見える星が分かる「回転星座盤」、自分の影が現在の時間を指す「影で分かる時計」、「日本で一番高い送電鉄塔」なども用意する。
島内の宿泊施設「休暇村大久野島」(忠海町)では、山頂道路の開通を記念して、島の見どころや撮影スポットをイラストで描いた島内散策マップを作り、観光客を出迎える。
大久野島は、1929(昭和4)年に日本陸軍の毒ガス工場が設置され、1945(昭和20)年の終戦後まで地図から消されていた「秘密の島」。終戦後は連合軍の指示により、工場が破壊され、全島を消毒している。現在は、瀬戸内海国立公園に指定されており、休暇村や遊歩道、ビジターセンターなどの施設が整備されている。