広島県呉市の入船山記念館内の国重要文化財「旧呉鎮守府司令長官官舎」壁面に使われている金唐紙(きんからかみ)の制作を体験できるワークショップが10月23日・24日、入船山記念館(呉市幸町)で開催される。
金唐紙は、金属箔(はく)を施した和紙を版木に当て、豚毛などのはけで打って凹凸を付けて模様を出し、上からワニスを塗って彩色して仕上げた壁紙。ヨーロッパの金唐革がルーツで、日本には江戸時代に伝来し、後に和紙を革に似せて加工する擬革紙という技術が発達した。明治時代になると擬革紙の技術を応用して、きらびやかな文様、彩色をして仕上げた壁紙、金唐紙が誕生した。入船山記念館内の「旧呉鎮守府司令長官官舎」洋館には、5種類の金唐紙が使われている。
同館では例年、世界で唯一の金唐紙制作技術保持者の上田尚さんを講師に迎えた金唐紙制作体験を企画している。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止し、2年ぶりの開催。本来は1日かけて行う本格的な体験だが、今回は「型打ち」「色付け」のコースに分かれて、参加できる簡易制作体験を行う。所要時間は2、3時間。講師は同館の職員が務め、出来上がった金唐紙は持ち帰ることができる。
料金は型打ちコース=2,500円、色付けコース=1,800円。定員は型打ちコース=2人1組で1回2組、色付けコース=1回6人。いずれも午前、午後の1日2回開催する。申し込みは、メールとファクスで体験日前日まで受け付ける。定員になり次第終了。