広島市中心部の百貨店「福屋」内の映画館「八丁座」(広島市中区胡町)で現在、広島を舞台にしたアニメ映画「この世界の片隅に」、映画「ひろしま」の2作品が英語字幕付きで上映されている。
同館を運営する序破急が両作品を英語字幕付きで上映するのは今回が初めて。連日、海外からの来館があるが、今年も8月6日に合わせて来広した「この世界の片隅に」監督の片渕須直さんによる舞台あいさつには、多くの来場があった。
映画「この世界の片隅に」は広島県出身の漫画家、こうの史代さんの漫画が原作。戦時中に広島から軍港の街・呉市の一家へ18歳で嫁いだ主人公・すずさんの日常を描いた。製作資金はクラウドファウンディングで集め、短期間で目標額に達する反響を得て、2016(平成28)年に映像化した。広島では同年11月に上映が始まり、同社が運営する映画館「八丁座」「サロンシネマ」では1年以上にわたって公開した。
製作当時、大手配給会社から配給を拒否され小規模公開となった映画「ひろしま」(関川秀雄監督、1953年)は当時、約9万人の広島市民が手弁当でエキストラ参加した作品。撮影には、原爆を体験した多くの被爆者も協力し、原爆が投下された直後の惨状を再現した。フランス映画「ヒロシマモナムール」(アランレネ監督、1959年)にも、映画「ひろしま」の一部が使われている。広島では、1953(昭和28)年10月に八丁座の前身となる「福屋劇場」で公開された。
各作品とも上映は1日1回。観覧料は1,100円。「この世界の片隅に」=10時15分~12時35分、「ひろしま」=17時5分~18時50分。今月8日まで。