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広島市民9万人が参加した映画「ひろしま」-広島「八丁座」で上映

「できるだけ多くの人に見てもらいたい」と語る小林さん

「できるだけ多くの人に見てもらいたい」と語る小林さん

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 製作当時、大手配給会社から配給を拒否され小規模公開となった映画「ひろしま」(関川秀雄監督、1953年)が10月1日から、広島・八丁堀の映画館「八丁座」(広島市中区胡町、TEL 082-241-1781)で3週間限定上映を行う。

 作品は、広島で被爆した教育学者・長田新さんが作った文集「原爆の子~広島の少年少女のうったえ」を八木保太郎さんの脚色によって、映画化。広島の市民ら約8万8千人がエキストラとして出演し、原爆が投下された直後の惨状を再現した。撮影には、原爆を体験した多くの被爆者も協力した。

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 映画に必要となる、戦時中の服装や防毒マスク、鉄かぶとなどは、広島県内の住民から寄せられた約4000点を使用。主演は当時、大手映画会社「松竹」と専属契約を結んでいた俳優、月丘夢路さん。他社の作品に出演できない協定があったが、15歳で宝塚音楽学校に進学するまで広島市大手町で過ごしてきた月岡さんは、周囲の「猛反対」を押し切ってノーギャラで作品に出演したという。

 広島では、1953(昭和28)年に同劇場の前身、「福屋劇場」で上映。今回の上映は八丁座を運営する序破急の申し出によって実現した。作品は今年6月から群馬、東京、大阪の劇場で上映。これまで、劇場で公開された回数は少なく、広島での公開後は、長野や神奈川、埼玉でのイベントや会場を借りて上映を行う。

 「(原爆で)亡くなった人をこの映画を見て供養したいと言われたこともあった」と映画プロデューサーの小林一平さん。父・小林大平さんは同作の監督補佐を務めた縁もあり、同作品を上映することで核廃絶を訴える。小林さんは多くの上映会場に足を運び、劣化した画像と音声の修復や、他言語の字幕版映像を製作しようと募金活動を呼び掛ける。

 鑑賞料は高校生以下・シニア=1,000円、大学生・大人=1,300円。上映は10月21日まで。10月1日は初回上映後の12時10分から約20分、小林さんの舞台挨拶を予定する。