海や船の楽しさを満喫してもらおうと日帰り周遊クルージングルートを提案する「マリンチック街道」に3月、広島・竹原の「たけはら海の駅」が選ばれた。県内では「ひろしま・かんおん海の駅」に続いて2カ所目の登録となる。
プレジャーボートによるクルージングだけでなく、ボートからしか撮影できない「インスタ映えスポット」や海の駅などへの寄港・上陸をして観光地やグルメスポットを巡る同企画。ボートユーザーに加え、旅行者やグルメ愛好家などにもマリンレジャーを楽しんでもらおうと国土交通省が2017年度に小樽(おたる海の駅)、横浜(よこはま・かなざわ海の駅)、広島(ひろしま・かんおん海の駅)、福岡(ふくおか・マリノア海の駅)、天草(あまくさ海の駅)の5カ所をモデルルートに選定した。
新たに追加された11ルートは一般から募集した。新ルートは、宮古(みやこ海の駅)、東京・夢の島(ゆめのしま海の駅)、富山湾(しんみなと海の駅)、知多(りんくう・とこなめ海の駅)、伊勢湾(みえ・かわげ海の駅)、神戸・西宮(しんにしのみや海の駅)、神戸・淡路(こうべすま海の駅)、竹原(たけはら海の駅)、三豊(みとよ・仁尾海の駅)、新居浜(にいはま海の駅)、長崎(ながさき海の駅)。
竹原のモデルルートではたけはら海の駅(竹原港北崎旅客ターミナル)を出発し、企業所有で関係者以外は立ち入り禁止の「契島」を目指す。第2次大戦中は空爆を受けたこともあり、工場や廃虚マニアの間では「もう一つの軍艦島」としても注目を集めているという。その後、佐木島・向田港の入り江に鎮座する広島県重要文化財の磨崖和霊石地蔵(まがいわれいしじぞう)を船上から眺め、グルメも観光も徒歩圏内にある「おのみち海の駅」へ上陸する。
再び、船に乗って広島と愛媛の中間に位置する無人島で「ひょっこりひょうたん島」のモデルになったと言われる「ひょうたん島」を船上から見学する。最後は周囲約4キロの小島に約700羽の野生ウサギが生息する「うさぎのしま・おおくのしま海の駅」に立ち寄る。かつて毒ガス工場があったことから「地図から消された島」だったが、現在では国内外から多くの観光客が訪れている。滞在後はたけはら海の駅に帰港する。