広島市現代美術館(広島市南区比治山公園)のミュージアムショップがリニューアルして2カ月が過ぎた。手掛けたのは、建築家の谷尻誠さんと吉田愛さんが代表を務める建築設計事務所「サポーズデザインオフィス」(中区舟入本町)。
リニューアルは2014年春、展覧会を無制限で観覧できる新サービス「モカパス」導入とともに解散した「友の会」から予算残の寄付受けて実現した。館内で営業場所を移ることはあったが、現在の場所に移ってからのリニューアルは初。
内装デザインは美術作品を輸送時に梱包(こんぽう)する木箱「クレート」をコンセプトに仕上げた。きっかけは2人がNYのグッゲンハイム美術館を訪れた際に見かけた、エントランスホールに積まれた美術品の輸送用木箱の山。これから展示される美術品が入ったサイズの異なる木箱が雑然と置かれている様子を見て、「図書館のような、マルシェのような、混沌(こんとん)とした中にも整然とした美しい風景を作っていた」という。
クレートは一目で分かるアイコンとしてだけでなく、多くの商品を整理して並べることもできる機能も併せ持つ。空間との一体感も生まれ、什器と商品のミスマッチを解消した。商品点数はオリジナルグッズ=約300点、展示会カタログや書籍類=約250点。
開館時間は10時~17時。月曜休館。