4月から公演が始まる劇団四季ミュージカル「美女と野獣」の舞台仕込みの様子が3月30日、「上野学園ホール」(広島市中区白島北町)で公開された。
約100人のスタッフが19日間をかけて準備する舞台仕込み。装置などの量は劇団四季の作品でも最大規模という11トントラック40台に上る。常設する劇場と同じく、遠近法を使い、パースが効いた奥行きのある舞台を作り上げる。
最も大きな「野獣の城」のセットはトラック4~5台分に相当する。サイズは幅11メートル、高さ6メートル。ホールの床に敷いた厚さ15センチの「ショーデッキ」に舞台装置を動かすためのモーターやチェーン、スピーカーなどを埋め込み、重さ10トンの城は客席に向かって後方から約5メートルせり出す。
舞台装置のほとんどがコンピューター制御によるオートメーション化されている。人の出入りがある舞台袖にはスペースを残し、高見櫓(やぐら)を組んで空間を活用する。床の色は照明との相乗効果を考え、原色の上に黒を重ねる工夫を施す。「装飾も豪華だが、(舞台装置は)物語を運ぶ演出の一端を担う」と舞台監督の原田宗喜さん。毎日、掃除するだけでなく、公演ごとにメンテナンスを行い、次回公演にも備える。