広島の新名物として飲食店の店主らが商品化した「一夜干しホルモン」の小売りが4月、県内のサービスエリアを皮切りに始まった。
一夜干しホルモンは、広島市内の飲食店「三代屋」(広島市中区袋町)店主の三代基樹さんと「六坪屋」(幟町)店主の我妻大輔さんが共同で開発したオリジナルメニュー。1年の構想期間を経て、昨年末に提供に向けて動き始めた。
ホルモンは弾力のある食感と独特の風味を持つ豚の胃袋を使用。つまみやおやつに食べてもらおうと長時間ボイルした後、手作業で無駄な脂をそぎ落とすなど工夫し、柔らかな食感と風味を出した。
「秘伝のたれ」に漬け込むため、鉄板で炒めるだけで一品が完成するスピードも特徴。「集客ツールとして話題性もある」と三代さん。鉄板焼き店やサイドメニューの強化に力を入れるお好み焼き店など、県内を中心とする飲食店約30店にも卸している。各店では天ぷらや野菜炒めなど、アレンジしてメニューに加える。
小売りでは炙(あぶ)った「一夜干し炙りホルモン」を販売。ゴールデンウイークに過去最多の約180万人を動員した「2013ひろしまフラワーフェスティバル」では3日間で1200食を売り上げ、東京・銀座の広島ブランドショップ「TAU(たう)」でも5月1日から取り扱いを始めた。
広島での定着を目指し、取扱店も募集している。消費者や販売店の声が聞こえる範囲での販路拡大を目標に掲げ、「こだわりをもっている店を中心に広めていきたい」という。今後は商品のラインアップを増やし、ネット販売も予定する。
販売価格は390円。「三代屋」「六坪屋」「あかんたれ」などの飲食店でも取り扱う。