「古里映画」製作をライフワークとして活動する尾道市出身の大林宣彦監督が手掛けた映画「この空の花 長岡花火物語」(2011年)の上映が8月11日より広島福屋内の劇場「八丁座」(広島市中区胡町)で始まり、初日には大林監督が舞台あいさつを行う。
映画は、「日本三大花火」と称される「長岡花火」がテーマ。夏の風物詩として親しまれる花火だが、長岡では、米軍の空襲を受けた1945(昭和20)年8月1日22時30分、長岡空襲が始まった日時に合わせて毎年、打ち上げる。平和への祈りを込めた「祈りの花火」は、中越大震災などの災害から復興した市民にとって、再生と希望の象徴ともされている。
ストーリーには、歴史的事実も織り交ぜる。劇中に登場する人物の多くは、実在するセミドキュメンタリー。天草の地方紙記者・遠藤玲子(松雪泰子さん)は中越地震の体験を経て、2011 年に発生した東日本大震災でいち早く被災者を受け入れた長岡市を新聞記者として見つめようと長岡への訪問を考えていた。
ふいに、何年も音信が途絶えていたかつての恋人・片山健一(髙嶋政宏さん)から届いた手紙にあった、「長岡の花火を見てほしい、長岡の花火はお祭りじゃない、空襲や地震で亡くなった人たちへの追悼の花火、復興への祈りの花火なんだ」という結びの言葉が強く胸に染みて2011年夏、長岡を旅することにした。
舞台あいさつは全国で開催。「単館系やミニシアターが多い」と作品配給会社「TMエンタテインメント」(大分県大分市)の平野治さん。広島県内では尾道・福山の劇場でも開いた。
舞台あいさつは10時30分から。鑑賞料は、大人=1,800円、大学生=1,500円、60歳以上・高校生以下=1,000円。今月24日まで。