被災した東北地方の子どもたちへ向け、「クリスマスの気分を味わってほしい」と11月9日、広島の市民グループが木製のサンタクロース約150体を福島県いわき市へ送った。
一体ずつ色を付け、表情を描いた木製サンタクロースの制作は、広島の市民グループ「ボランデポ広島」(広島市中区上八丁堀)が主宰。支援活動「サンタプロジェクト」の一環として展開する。
サンタクロースは絵本などを参考にしながらデザインした、約70種類を用意。サイズはさまざまだが、高さ15センチほどの大きい作品も目立つ。材木に転写させ、くり抜いた数は約400点。「1体につき、約20分かかった」と同グループの福本英伸さん。広島県内の大学や高校、障害者福祉施設などに呼びかけ、材木のくり抜きやアクリル絵の具を使ったペイントなどの作業に協力した。
表情が一点ずつ異なるサンタクロースは、これまで約170体を現地と広島県に避難してきた被災者に送った。作業には、300人近い市民が協力。「自分の手元に置いておきたいと思うものを贈ろう」をコンセプトに、時間を掛けて、丁寧に作業へ取り組んだ。
準備期間から約2カ月、「東北へ思いをはせながら作った」と福本さん。「一人でも多くの人の目を東北に向けることができたのでは」とも。完成したサンタクロースは、手作りのクリスマスカードを添えてラッピングして、現地のボランティア団体へ送り届ける。