広島大学本部跡地(広島市中区東千田町1)に大型複合施設「アーバス東千田」が開業して約1カ月。同施設近くで1919(大正8)年から続くタカノ橋商店街(大手町5)で話を聞いた。
「月曜の人通りが減った気がする」と話すのは同商店街の専務理事青木清英さん。「日曜にまとめて買い物を済ませるのでは」と推察する。公営(市営)市場としてスタートした同商店街は、1945(昭和20)年に戦火で壊滅するも翌年再開し、1962(昭和37)年には中国地方で初となる振興組合を設立した老舗商店街。
商圏は、アーバス東千田開業前から千田通りを走る市内電車を境に西の大手町5丁目や加古町、住吉町、舟入、吉島を考えていることから大きな影響は受けていない様子。利用客の大半が、50~70代の高齢者を中心とした「昔なじみのお客さん」が多いことも要因の一つだという。
だが商店街を取り巻く環境は厳しく、商店街組合への加盟率は約8割と低迷。集客を目的に不特定多数に向けたイベントを行うが収入にはつながらず、6年前からは町内会や子ども会など「見える相手」に商店街をPRするようになった。
「地域と一緒にやっていける商店街」とアピールするとともに小学校の販売実習など地域貢献にも協力。「地域に住んでいる人が多い商店街は住民の一人」と地域内でのサービスに力を入れ、「大型店にできないことを見せていきたい」と差別化を図る。
アーバス東千田は3月11日に開業。スーパーマーケット「アルク」や衣類品販売店「しまむら」、釜揚げうどん「丸亀製麺」、ドラッグストアなどテナント10店で構成する。店舗面積は1,198坪。駐車場の収容台数は139台。