
広島電鉄「広島駅停留場」が8月3日、広島駅南口から広島駅ビル「minamoa(ミナモア)」の2階に移設された。同日、新たに「駅前大橋ルート」も開通した。路面電車が高架で駅ビル内へ乗り入れるのは全国で初めて。
広島駅電停が駅ビル2階に移ることで、JRや新幹線の改札階とフラットに直結し、乗り換えが便利になった。JR在来線改札口から路面電車の停留場まで徒歩70秒でアクセスできる。移設に合わせて、路面電車の乗り場も2面から4線7ホームに拡張した。
新ルートの「駅前大橋ルート」は、広島駅から稲荷町を経由して、比治山下へとつながる1.1キロメートルの区間。停留場「松川町」を新設し、広島駅~比治山下方面への移動時間は約4.5分短縮した。周辺停留所の再編も行った。「的場町」「段原一丁目」停留場は、循環ルートの整備のため2026年春ごろまで休止。「猿猴橋町」停留場は廃止となった。駅前大橋ルートの総事業費は約109億円。広島駅電停での想定利用者は1日あたり約3万2400人。現在の約2万9900人から、約2400人増える見込み。
新線開通により、広島駅~八丁堀・紙屋町方面への移動時間も約4分短縮された。1号線「広島駅発、広島港行き」では実証実験として、広島駅~紙屋町東間で、平日の7時台に「快速便」を2本運行する。従来は広島駅、稲荷町、銀山町、胡町、八丁堀、立町、紙屋町東の順で停留場に停車していたが、快速便では、広島駅、稲荷町、八丁堀、紙屋町東のみ停車する。実証実験は12月31日までを予定する。