現代のワーキングプアを描いた映画「蟹工船」が7月26日・27日、横川シネマ(広島市西区横川町3、TEL 082-231-1001)で上映される。広島では上映された正式な記録が残っておらず、今回が広島初上映となる。
1929年に発表された故・小林多喜二の「蟹工船」は、劣悪な労働条件を強いられる貧しい労働者たちが主人公の物語。生存権が危ぶまれ、やむにやまれず手を挙げて立ち上がった彼らと現代のワーキングプアが重なり、若者を中心に共感を呼んでいる。今年の書籍販売数は20万部を越え、例年の約50倍の売り上げを記録した。
主催するのは、同映画の上映を目的に設立された「蟹工みるぜッ!の会」。代表の弥富昭夫(いやとみ)さんは、シネマ・キャラバンとして中国四国エリアの市町村で映画を上映している。「『蟹工船』は映画の存在自体がほとんど知られていない作品」と弥冨さん。書籍の人気を見て今回の上映を企画したという。
27日には上映後に、就労条件などの相談を受け付けている「広島青年ユニオン」のメンバーによるトークセッションも30分程度行う。トークセッションでは、広島の労働環境の現状や労働環境の悪い具体例を挙げる。
人気の再燃は、かなり厳しい現代のワーキングプアやプレカリプアと「蟹工船」の世界が重なったのではないかと分析した弥富さん。「『蟹工船』は身近にある現実。若い人に見てもらいたい」(同)と厳しい表情で話す。
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