時間栄養学とは、「何を、どれだけ食べるべきか」を考える従来の栄養学に「いつ、どのように食べるべきか」の視点を加えたものです。近年の研究で、人の“体内時計“に合わせ、「いつ」「どのように」食べるかを考慮することが、生活習慣病の予防や健康維持に好影響を及ぼすことが明らかになってきました。若い世代の朝食欠食や睡眠不足、不規則な生活習慣が社会的な課題となっている背景から、ますます時間栄養学への注目が高まっています。アヲハタはCSRの重点課題として「食を通して心と体の健康をサポート」を掲げており、その取組のひとつとして地元広島での食育活動に力を入れています。今回は、時間栄養学の第一人者である広島大学大学院医系科学研究科の田原優准教授を迎え、サンフレッチェ広島ユース選手に「コンディションを支える食と生活リズム」についてのセミナーを実施しました。

「くちどけフローズン」を片手に、自身の食事内容を振り返るグループワークに真剣な表情で取り組む選手たち。田原准教授の研究室の学生たちもグループワークに参加してサポート。食事や生活習慣の重要性について理解を深めました。
田原准教授は、「体内時計」の仕組みや「食」との関係性に焦点を当てて解説。
「特に朝食の摂取が体内時計を整え、午前中の体温を上げる効果があり、1日のパフォーマンスに寄与する」「朝食でも昼食・夕食と同程度のたんぱく質を摂取することが重要」「睡眠時間だけでなく、夕方以降のカフェインを控えるなど質の良い睡眠を意識すること」「食事は3食のバランスが重要で、
ビタミン、ミネラル、食物繊維等のフルーツの栄養も食事の中にうまく取り入れることも大切」という点を強調されました。

菊山璃皇選手
中学生の時は、ここまで栄養のことを気にしていなかった。今日の講義を聞いて、寮生活で栄養コントロールをしていただけていることが幸せなことだということが分かった。田原先生の講義で勉強になったことは、タンパク質は朝に摂ったほうが良いこと、パフォーマンスは夕方に体温が上がり最高になる、ということ。アヲハタのフローズンフルーツは、いちごと白桃を食べたが、特に白桃が美味しかった。練習後に、暑いので、体温を下げるために食べられたらいいなと思った。

フィジカルコーチ 井前尚様
田原先生にレクチャーしていただいた時間栄養学は、体内時計や日常生活のリズムは、自分達も伝えたいと思っても、なかなか伝えられてこなかった話なので、そのことについて話していただけたのは、選手たちにとってよい機会になりました。こういった大学や企業との取り組みは今まであまり無かったので、プラスになっていくことが多いと思います。今日をきっかけにいい関係が出来ていくと良いと思う。色々な方々に支えていただいて、クラブの活動は成り立っているのでありがたいです。アヲハタのフローズンフルーツは、選手たちがとても喜んでいました。
本企画が実現した背景には、自身もフットサルのトップリーグでのプレー経験があり、現在も広島大学で監督を務める社員のスポーツとフルーツを掛け合わせ、“アスリートの食や栄養面の支援を行いたい“という、社員の熱い想いがありました。

研究開発本部 喜多村優
私自身、昨年までフットサルのトップリーグでプレーする中で、食生活や日ごろの生活など気を付けないといけないと思っていた。ただ、20代前半の頃はそこまで意識できておらず、何をしたらよいのか何が正しいのかということもわかっていなかった。今回のセミナーでユースの選手の皆さんに時間栄養学や生活リズムについて、知ってもらい、考えてもらうことでより競技に良い影響が出てくるのではないかと思うので、今後の活躍がとても楽しみ。「スポーツ×フルーツ」には競技レベル問わず、多くの可能性があるのではないかと考えている。今後も、フルーツを食べて一日が始まっていくというような、心身ともに健康的な生活に貢献していきたい。
セミナー内で選手たちは「アヲハタ くちどけフローズン」を試食。また「アヲハタ まるかじゅり」もユース選手の寮に約2週間提供しました。皮をむかずに手軽にフルーツを摂取できる「くちどけフローズン」「まるかじゅり」は、朝食や間食、練習後の火照った体のクールダウンなど、さまざまなシーンで手軽に楽しめます。ビタミンやミネラル、食物繊維などのフルーツ由来の栄養素が含まれるので、手軽な栄養補給として1日の食事に取り入れるのがおすすめです。アヲハタのフローズンフルーツは、フルーツ本来の味わいが楽しめます。そのまま食べるだけでなく、ドリンクやヨーグルトに入れるのもぴったりです。

田原優准教授
選手たちは、規則正しいリズムで生活をして、寮で用意された栄養バランスの良い食事を摂っていて、時間栄養学の視点からすると、とても良い生活をしています。ただ、起床・就寝時間が何故重要か、毎食の食事にどんな栄養素がどれくらい含まれているか?といったことを能動的に考えるところまでには至っていなかったと思いますので、今日の講義で気づきを与えることが出来たのではないでしょうか。グループワークの中でも、補食や分食など、選手から色々な課題感やアイデアが出てきましたので、大変有意義な時間にできたと思います。
<田原優准教授 プロフィール>
広島大学大学院医系科学研究科准教授 博士(理学)早稲田大学大学院を修了後、同大学高等研究所助教、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部助教、早稲田大学准教授を経て2022年より現職。
専門は体内時計研究。食事のタイミングと健康の関係を科学する「時間栄養学」の立ち上げに尽力。UCLAでは、認知症や自閉症と体内時計の関係を最先端の神経科学を用いて研究。現在は最先端の基礎研究を応用し、企業と連携して「時間健康科学」を推進。パーソナライズド健康管理システムの創出を目指している。
主な著書に『Q&Aですらすらわかる体内時計健康法』『体を整えるすごい時間割』など。