これまで4度にわたり映画化された筒井康隆さんの小説「時をかける少女」を手がけた大林宣彦監督と谷口正晃監督が10月21日、広島の映画館「サロンシネマ」(広島市中区大手町5)に登場し、トークショーを行った。
両監督は、書店チェーンを展開する「フタバ図書」(西区観音本町2)とサロンシネマを運営する序破急(同)のコラボイベント「時かけ映画祭in広島」に登場。原田知世さん主演の「時をかける少女」を客席で観客と一緒に見ていた両監督は、上映後にステージに登壇。「久々に広島で作品を見た」と大林監督。角川春樹さんから「尾道で原田知世を撮ってほしい」と言われたと話し、主人公・芳山和子を演じた原田さんには「まばたきまで演出した」とも。
高校生のときに、リアルタイムで大林監督が手がけた同作品を見たという谷口監督。「映画を志すきっかけになった」と振り返り、長編映画デビュー作にあたる今作品では、「大林監督へのオマージュもたっぷり含んだ」。トークショーは、序破急の蔵本順子社長も交えて40分間ほど行われた。
会場には東京で開催した「時かけ」映画祭への参加者や女子高校生の姿も見られた同イベント。大林監督の「時をかける少女」は1983(昭和58)年に公開された映画だが、「ファンも古い映画ではなく、新しい映画として見てくれている」と大林監督。ファンの年齢層の幅広さも感じたようだ。サロンシネマでは通常の100席に補助座席を設けたが、140席がほぼ満席に。23時30分の終了だったが、ほとんどの観客が最後まで作品の上映を楽しんだ。