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広島で映画「この世界の片隅に」上映 片渕監督舞台あいさつも

映画館「八丁座」でトークショーを行う片渕須直監督

映画館「八丁座」でトークショーを行う片渕須直監督

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 映画「この世界の片隅に」の片渕須直監督による舞台あいさつとトークショー付き上映が8月6日、広島の映画館「八丁座」(広島市中区胡町、TEL 082-546-1158)で行われた。

「水口マネージャー」が描いたチョークアート展示も

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 映画「この世界の片隅に」は戦時下の広島市・呉市を舞台にしたアニメ作品。今年が、終戦80年と作品に登場する主人公の女性・すずが設定上100歳を迎える年に当たることを記念して、8月1日~15日に全国で再上映が決まっている。再上映を記念して一部の劇場では、片渕須直監督や主人公すずの声を務めた「のん」さん、すずの夫・周作役の細谷佳正さんによる舞台あいさつ付き上映会を行っている。

 八丁座では12時15分の回の上映後に片渕監督が登壇し、約150人の観客を前に作品への思いを語った。「映画の初公開は2016年。さかのぼってみると、本日に至るまで2010年から『この世界の片隅に』という映画を作り始めている。戦後80年のうち15年ぐらいかかっている。15年の間にたくさんの人と広島で出会い、知り合った。広島はあたたかさと一緒にある町」と片渕監督。「8月6日に起こったことを考えると、本来あって壊されたものはなんなのか。人のあたたかさを感じているとそういうものも軒並みペシャンコにされてしまったんだなと改めて思い起こすことができたような気がしている」と話す。

 作品の中で、現在平和記念公園になっている中島本町の店も1軒1軒描き直したと明かす。「あと10年、20年たっても同じように、映画が生き残ることができるならば、ひょっとすると中島本町の風景もその分だけ生き残ることができるんではないかなと思う」とも。「20年後、まだこの映画がみなさんに見てもらえるような機会があるならば、またここへ戻ってきて85歳になった私もここで立たせていただこうかなと思ったりもしている。それがあの向こうにあったんだけど、今はもう見えなくなってしまったあの街の姿を思い起こすすべになるといいなと思う」と締めくくった。

 トークショー後は、ロビーでパンフレットを購入・持参した人を対象にサイン会を行った。片渕監督は8月6日、八丁座をはじめ、「MOVIX広島駅」(南区松原町)、「福山駅前シネマモード」(福山市伏見町)、「呉ポポロシアター」(呉市中通3)を訪れた。

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