広島のバス3社が現行の「PASPY(パスピー)」に替わり、JR西日本の交通系ICカード「ICOCA(イコカ)」を導入する。2月7日、共同で発表した。
ICOCAを導入するのは、広島バス、広島交通、中国ジェイアールバスの3社。2025年3月までにサービスを終了する乗車券システムPASPYと入れ替えて、同年3月末からサービスを開始する。ICOCAなどの全国相互利用が可能な交通系ICカードは現在もPASPYを搭載する車両で使えるため、PASPY終了後も引き続き利用できることになる。
2008(平成20)年1月にサービスを開始したPASPYは今後、機器の老朽化による更新に多額の投資が必要と見込まれており、システムの維持が困難になっていることから、PASPY運営協議会が2022年3月にサービス終了を発表している。
ICOCAに入れ替えるメリットを3社は、JRやアストラムライン、路線バスでも相互利用できるだけでなく、費用面でも長期的、持続的な運用が可能なことなどを挙げる。
3社では、PASPY終了後に広島電鉄が提供する新乗車券システム「MOBIRY DAYS(モビリーデイズ)」の導入も検討する。稼働時期は未定。MOBIRY DAYSは、スマートフォンに表示させたQRコードを車両の読み取り機にかざすことで運賃を決済できるサービス。スマートフォンがない場合は、専用のICカードを発行する。利用前にはオンラインで会員登録が必要。登録時には基本的に、クレジットカードか銀行口座が必要になる。